PMBOK(Project Management Body of Knowledge)ガイド レポート

PMBOKは、第6版までと第7版で大きく変更されています。この変更がどのような意味を持ち、第6版と第7版をどのように使っていけば良いのかを生成AIを用いて整理してみました。まずは、全体像を把握してバイアスがかからないようにしてから使い方を考えてみると良いかと思います。
 第7版では、個別の手法はStandard+に記載されオンラインで随時更新されるようになっています。またその手法をテーラリングして用いることで柔軟な対応を可能にしています。これらの点をより具体的に以下にまとめましたのでご参照いただければ幸甚です。

1. 経営層向け概要

1-1. PMBOKとは

 PMBOK(Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクトマネジメントの国際標準知識体系です。

  • 第6版(2017年発行): プロセスベースの体系(5つのプロセス群×10の知識エリア)

  • 第7版(2021年発行): 「価値重視」「原則指向」「8つのパフォーマンスドメイン」で柔軟性を重視

1-2. 第6版の概要

  • 5つのプロセス群(立上げ/計画/実行/監視コントロール/終結)と10の知識エリア、さらに49のプロセスによって、ウォーターフォール型に代表される従来型プロジェクトの全体を体系立てている。

  • プロジェクトを計画重視型で管理したい場合に有用で、PMI資格試験(PMP)学習や多くの現場での標準プロセスとして参照され続けている。

  • 第6版にも「テーラリング」概念は含まれており、プロジェクトの特性に合わせてプロセスを取捨選択することが推奨されていた。

1-3. 第7版の概要

  • 「12の原則」: プロジェクトに関わる人・チームが行動指針とすべき普遍的な要素(例: スチュワードシップ、システム思考、テーラリングなど)。

  • 「8つのパフォーマンスドメイン」: 従来の知識エリアを廃止し、プロジェクトの成果に直結する領域(ステークホルダー、チーム、デリバリーなど)を包括的に整理。

  • 「価値提供システム」: プロジェクト・プログラム・ポートフォリオを組織戦略と結び付け、継続的に価値を生み出す枠組み。

  • テーラリングの強調: 第6版よりもさらに「One size does not fit all(すべてに通用する唯一の方法はない)」という考えを強調し、プロジェクトの特性や環境に合わせてアプローチを柔軟に組み立てる必要性が明示されている。

1-4. 第6版は廃止ではない

  • 第7版の登場に伴い第6版が無効化されたわけではない。ウォーターフォール中心のプロセス体系を参照する組織にとって、第6版は依然として基本的なフレームワーク。

  • PMIは**オンラインプラットフォーム「Standards+」**で、最新版の概念(第7版)と従来のプロセス体系(第6版)を含む多様なガイドやツールを提供。これにより必要に応じて詳細な実践知識を補完できるようになっている。

  • 組織の成熟度やプロジェクト特性に応じて、「第6版と第7版を併用する」あるいは「第6版に一部アジャイル手法を取り入れる」など、さまざまなハイブリッド運用が存在する。

1-5. 経営層が押さえるべきポイント

  • 現代の変化の激しいビジネス環境では、アジャイルやハイブリッドなど柔軟な手法を取り入れるためにも、第7版の「原則」「テーラリング」の概念が有益。

  • 同時に、組織標準として第6版の明確なプロセス体系を活かし、チームが共通言語をもつことで管理がスムーズになる利点も捨てがたい。

  • 価値提供システムの導入により、プロジェクト成果(価値)を企業戦略と繋げて評価する視点がますます重要。

2. 詳細(初級エンジニア向け)

2-1. 第6版の基礎と実務での使い方

(1) 基本構造: 5つのプロセス群 × 10の知識エリア

  • プロセス群: 立上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結

  • 知識エリア: 統合、スコープ、スケジュール、コスト、品質、リソース、コミュニケーション、リスク、調達、ステークホルダー

  • これらを組み合わせた49のプロセスが定義され、各プロセスでどのようなインプット・アウトプット・ツールを使うかが整理されている。

(2) 第6版におけるテーラリング

  • 第6版でも「プロジェクトによってはすべてのプロセスを適用しなくてもよい」旨が明記されている。

  • 具体的には、プロジェクトの規模、業界特性、リスクレベル、チームの経験などに応じて、49プロセスのうち必要なものを選択・省略する考え方が基本。

  • 例えば、小規模のウェブサイト開発では「調達マネジメント」が不要な場合や、ステークホルダーが少ない場合に一部活動を簡略化することなどが想定されている。

(3) 第6版のメリット

  • 「どのタイミングで何をやればよいか」が段階的に整理されており、ウォーターフォール型プロジェクトを順序立てて進める際に分かりやすい。

  • 初学者にとっては、プロジェクト管理に必要な要素を網羅的に押さえられる枠組みとなる。

  • PMI資格試験(PMP)準拠の学習や、大規模組織での標準プロセス策定の際など、広く活用されている。

2-2. 第7版の主要要素とテーラリングの強調点

(1) 12の原則(Principles)

  1. スチュワードシップ(責任ある行動)

  2. チーム(チームワーク重視)

  3. ステークホルダー(関与と期待調整)

  4. 価値(成果の価値最大化)

  5. システム思考(全体最適)

  6. リーダーシップ

  7. テーラリング(状況適合) ← 第7版で明確に1つの原則として強調

  8. 品質

  9. 複雑さ

  10. リスク

  11. 適応性と回復力

  12. 変革のマネジメント

(2) 8つのパフォーマンスドメイン

  • ステークホルダー、チーム、開発アプローチとライフサイクル、計画、プロジェクト作業、デリバリー、測定、不確実性

(3) 第7版におけるテーラリングの意義

  • 第7版ではテーラリングが「原則」のひとつとして扱われ、**「組織やプロジェクト固有の状況に最適化しなければ、本来の価値を十分に引き出せない」**と明確に示されている。

  • また、5つのプロセス群のような具体的ステップがない代わりに、状況に応じてアジャイル型・ウォーターフォール型・ハイブリッド型などを選択・組み合わせる発想が推奨される。

  • 単にプロセスを省略・追加するだけでなく、開発手法・契約形態・コミュニケーション体制・リスク対応戦略などを包括的に設計し、継続的に見直すことが期待されている。

(4) テーラリングの具体例

  • 開発手法の選定: 要件が流動的であればアジャイル要素を強め、確定的であればウォーターフォールを基盤にするなど、組み合わせ方をその都度最適化。

  • ドキュメントの簡素化: 小規模・短期プロジェクトでは詳細なプロジェクト憲章やWBSを大幅に簡略化し、コミュニケーション重視で進める。

  • ステークホルダー対応: 大企業向けなら承認プロセスをしっかり組み込み、スタートアップ企業向けなら承認フローを軽くしてスピード感を重視する。

  • リスクマネジメント: クリティカルな医療系プロジェクトでは検証とテストに重点を置き、ITベンチャーの試験的サービスでは「失敗を早期に発見して修正」する仕組みを重視する。

2-3. 第6版と第7版の併用イメージ

  • 第6版をベースにウォーターフォール的な管理手法を使用しつつ、要件変化が多そうなフェーズでは第7版のテーラリング発想からアジャイルプラクティス(スプリントや定期的デモなど)を取り入れる。

  • 大規模プロジェクトでは、第6版のプロセス体系を標準化して全体統制を図り、一部サブチームレベルでは第7版的にアジャイルアプローチをテーラリングして活用し、スピードアップを図る。

  • 社内のPMO(Project Management Office)が「標準プロセス(第6版相当)」を策定しつつ、「テーラリングガイド(第7版的視点)」を用意して各プロジェクトが状況に応じたカスタマイズを行うよう指導するケースもある。

2-4. Standard+の役割

  • 第7版では紙面から詳細手法が削減され、代わりにPMIが運営する**Standards+**で必要なテンプレートや事例を参照可能。

  • 第6版で扱っていた具体的なプロセス・ツールもStandards+で補完されており、「テーラリングを前提とした細かい実践知識」はオンラインで随時アップデートされ続ける。

  • 初級エンジニアの学習においても、プロジェクトの現場ニーズに合わせたテンプレートやプラクティスをStandards+で検索し、自分のプロジェクトへ柔軟に反映できる。

3. 経営層・マネジメント層が意識すべきテーラリングの重要性

  • 変化が激しい現代では、固定化されたプロセスを全て機械的に適用するのではなく、**状況に合わせた最適設計(テーラリング)**が不可欠。

  • テーラリングを推進するためには、現場レベルの権限委譲(チームが自律的にプロセスを調整できる仕組み)が必要になる。

  • 一方で、最低限の統制やガバナンスは維持しなければならないため、組織としての標準プロセス(第6版ベース)を軸にしつつ、第7版の原則やドメインで柔軟性を担保する体制を構築するのが望ましい。

4. 参考資料・引用元

5. さらなる情報収集手段一覧

  1. PMI公式サイト / PMI日本支部

    • 第6版・第7版両方の概要や解説に加え、セミナー・ウェビナー情報を得られる。
  2. Standards+

    • テンプレートやベストプラクティスをオンラインで随時参照可能。両版を補完する実用的情報が豊富。
  3. 書籍・解説本

    • 『PMBOKガイド 第6版』『PMBOKガイド 第7版』各種解説書

    • 『アジャイル実践ガイド (Agile Practice Guide)』

    • 第7版への理解を助ける「図解入門」シリーズ、オーム社・秀和システム等の入門書

  4. コミュニティ・フォーラム

    • ProjectManagement.com や国内のPM関連サイト、PMIフォーラムで具体的な導入事例や他組織のテーラリング手法を学べる。
  5. 研修・セミナー

    • PMBOK第6版&第7版のハイブリッド活用をテーマにした研修、PMP資格取得講座など。実践例を交えて効率的に学習可能。

6. まとめ

  • 第6版: 明確なプロセス体系があり、多くのプロジェクト現場で基本的指針として利用。

  • 第7版: 原則・パフォーマンスドメインを軸にし、「価値重視」と「テーラリング」を一段と強調。

  • テーラリング: もともと第6版にも存在する考え方だが、第7版で**「原則の1つ」として大きくクローズアップ**された。

  • Standard+: 最新情報や実務に即した補足ガイドをオンライン提供するプラットフォーム。両版の知見を柔軟に補完し合う。

 組織やプロジェクトの特性に合わせて、第6版と第7版を活用しつつ、テーラリングを通じて最適化を図ることが、現代のプロジェクト成功のカギとなります。

 いかがでしょうか。テーラリングが第7版では、さらに強調されています。私見ではありますが、組織の成熟度に合わせて使うツールや手法を変えていくことは重要だと思っています。組織の成熟度が高くない状態で高度なツールや手法を使うと使い切れなく効果が出ない、といった場合も出てきます。どの場合に、どういったツールや手法を使うのかは、一概に決まるものではないためPMの見極めに依存する部分かも知れません。
 弊社では、皆さまのプロジェクトが成功するようお手伝いをさせていただいております。お気軽にご相談ください。

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